武帝は中国古代の最大王朝である前漢の第7代皇帝で、54年の長きにわたり皇帝の座に就き、漢の最盛期を現出させました。
武帝が即位したのは紀元前141年で、この時まだ16歳でした。当初は祖母竇太后が実権を握っていましたが、6年後太后が死去し、ようやく本領を発揮することになりました。
武帝は西域経営に力を入れ、討伐と懐柔の両面で北方民族を牛耳ることに成功。国内にあっては儒教を重んじ、文学を愛し、年号を制定する等しました。
こうして、武帝の代に前漢王朝は最盛期を迎えましたが、匈奴討伐などの遠征費用がかさみ、その晩年には財政的危機を招きました。武帝はこれを塩・鉄・酒を専売にしたり、舟車に税を課したり、均輸平準法を採用するなどして乗り切ろうとしましたが、結果は芳しくありませんでした。